腸が腐ってちゃ、なにをやってもダメよ

file#29 マルチタスクにご用心!

腸活エキスパート薬剤師の
ミッチー(@GooodGut)です。

このところ、
めまいや頭痛を訴える方が増えてきている。
お医者さんからコロナストレスによる
自律神経失調症と診断されるケースも多いようだ。

自律神経失調症?

よく聞く言葉だが、
カラダの中で何が起こっているのだろうか?

自律神経とは?

暑いときに汗が出る、
運動した時に血圧や心拍数が上がる、
緊張した時に血圧が上がる、
食事をすると胃腸が動き始める

これらは自分の意志とは関係なく
自動運転で行われている。

この自動運転を調節しているのが自律神経だ。

自律神経には2種類あり
活動時に活発になる交感神経
リラックスしている時に
活発になる副交感神経がある。

交感神経と副交感神経

自室神経失調症は
この交感神経と副交感神経の
バランスが崩れた状態と言われている。

自律神経のコントロールセンター

交感神経と副交感神経のバランスは
脳の視床下部というところで調節されている。

視床下部のすぐ下には
下垂体があり、視床下部の命令で
いろんなホルモンを出して
各臓器をコントロールしている。

さしずめ、視床下部が社長なら
下垂体は部長で
交感神経や副交感神経は平社員
といったところだ。

視床下部と下垂体

例えば大事なプレゼンをする時、
視床下部は周囲がよく見えるように
瞳孔を開き、
脳にエネルギーを集中させるために
無駄な機能を止めてエネルギーをセーブし、
血圧を上げて脳に優先的に血液を送るように
各臓器に命令を出す。

このように、たった4gほどの小さな臓器が
24時間休みなく自動調節に働いている。

マルチタスクによる疲弊

スマホの動作が鈍くなった時
実はたくさんのアプリを
立ち上げていたのが原因だった・・・
という経験はないだろうか?

視床下部もそれと同じで
通常の業務に加えて
急激な気温や気圧の変動や
過度なストレスに対応したりすると
疲弊してフリーズしてしまう。

すると自動運転が解除され
手動運転を余儀なくされる。

カラダは手動運転に慣れていないので
最初のうちは外部環境に過度に反応してしまう。

頭の血管を急に広げすぎて頭痛がしたり、
激しい運動もしていないのに動悸がしたり、
暑くもないのに汗をかいたり
夜中にハッと目が覚めたりするのもこれが原因だ。

こんな状態を急性ストレス反応という。

こういった状態が慢性的に続くと
次第にカラダもエネルギー切れを起こし
全ての反応に対して鈍くなる。

食欲もなくなり、気力も低下して
いわゆる「うつ」に近い状態になってしまう。

これが慢性ストレス反応だ。


個人差はあるものの、
急性ストレス反応が持続すると
数年かけて慢性ストレス反応に移行する。

そして慢性ストレス反応になってしまうと
回復するまでには相当な時間がかかる。

カラダの変化に敏感になろう

慢性ストレス反応への移行を防ぐには
カラダの変化にいち早く気づくことが大切だ。

症状は人によってさまざまだが
今までになく甘いものが食べたくなったり、
コーヒーの量が増えてきたりした時は要注意だ。

中には交感神経が刺激され
ハイテンションになったり、
いつもより頭が冴えた感じがして
不調の前兆と感じにくい人もいる。

おなかを温めることから始めよう

交感神経が緊張すると
胃腸の働きが低下して血流も悪くなる。
実際におなかが冷たいと感じる人も多い。

逆におなかを温めると
副交感神経が刺激され、
リラックスした気分になれる。

冷たいビールを一気飲みすれば
シャキっとした気分になるが
温かい飲み物を飲むと
なんだかホッとする。

そう言った意味では半身浴や
おなかにカイロを当てるのもいい。

体温を上げるという仕事は
相当のエネルギーを使うので
カラダを温めると視床下部の負担を
一つ減らせる。

ポイントはゆっくり、じんわり温めること。
サウナでスッキリするのは
交感神経を刺激するからだ。

ゆっくり温めるには陶板浴もおススメ。
近くに施設があれば
一度試してみてはどうだろう?

そして何より、時間に追われて
頑張りすぎるのもホドホドにね。


ミッチー

「腸活」で日本を元気にしたい薬剤師です。 詳しいプロフィールはこちら