腸活エキスパート薬剤師の
ミッチー(@GooodGut)です。
便秘を改善するのに
食物線維や発酵食品を摂るようにしたら、
かえって、おなかの張りがひどくなったり、
肌荒れひどくなった人は
腸内細菌が引越しを始めた証拠かもしれない。
腸が健全な状態なら
腸内細菌は大腸に住んでいる。
というか、大腸にしか住めるところがない。
本当は細菌たちは
食べカスしか流れてこない大腸よりも
エサの豊富な小腸に住みたいのだが
それにはいくつかのハードルを
クリアしなければいけない。
消化液には胃酸、胆汁、消化酵素などがある。
これらは食べ物だけでなく
腸内細菌も殺菌・消化してしまうので
通常、腸内細菌は小腸に住むことができない。
これら消化液の分泌は自律神経で調節されている。
つまり、自律神経のバランスが崩れると
消化液が十分に出なくなり
腸内細菌は小腸に住みやすくなる。
小腸は絶えずグネグネ動いて
粘液と一緒に食べ物を下流に送り込んでいる。
この粘液の流れは
細菌たちにとっては激流に等しいので、
なかなか小腸に定着することができない。
おなかがすいている時に
グゥーとおなかが鳴る時がある。
これは伝藩性消化管収縮運動(MMC)といって
次の食べ物を受け入れるために
小腸をクリーニングしている時の音だ。
このMMCが始まると
小腸にいた菌も食べ物と一緒に
一気に下流に流されてしまい、
小腸にとどまることができない。
しかし、
間食などで空腹時間が短かかったり、
夜更かししたりすると
この小腸の大掃除が起こりにくくなり
腸内細菌たちにとっては小腸にとどまる
絶好のチャンスになる。
小腸と大腸のつなぎ目に
回盲(バウヒン)弁というものがある。
これは大腸の内容物が
小腸に逆流するのを防ぐための弁だ。
しかし、
慢性的な便秘や手術などの影響で
このバウヒン弁の締りが悪くなると、
腸内細菌は大腸から小腸へ移動しやすくなる。
これらの条件が整って
腸内細菌が小腸に引越ししてきた状態のことを
SIBO(シーボ、小腸細菌異常増殖症)という。
小腸に引越ししてくるのは
悪玉菌ばかりでなく、善玉菌も含まれる。
特に善玉菌は
水溶性の食物線維や糖が大好きだ。
これらを食べるとガスを発生する。
腸内環境を改善するために
水溶性食物繊維やオリゴ糖を摂取したのに
おなかが張って仕方がないという人は
逆に小腸に腸内細菌を
増やしてしまっている可能性が高い。
そいういった人たちは
善玉菌を増やすことより
自律神経のバランスを整えて
消化液をしっかり出せるようにしたり、
空腹時間を十分にとって
腸の動きを改善させたりする方が
先決かもしれない。