腸活エキスパート薬剤師の
ミッチー(@GooodGut)です。
僕が大学で薬学を学んでいた三十年前には
そいつは既に悪者扱いだった。
確かにそれを抑える薬ができてからは
胃潰瘍で手術を受ける頻度は激減した。
大正時代にその薬があったなら
夏目漱石はもっと多くの作品を
生み出していたかもしれない。
最近ではそれを抑える薬は
ますます強力になり、
ピロリ菌を退治する時や
逆流性食道炎の治療でも
ファーストチョイスだ。
そんなに悪いものなら、
何故カラダはそれをわざわざ作るのだろう?
と考えることもあったが、
薬のおかげで胃痛に悩まされなくなった
という声を聞くと
いつしかそんな疑問も
忘れてしまっていた。
しかし、腸のことを勉強していくうちに
そいつの偉大さを改めて思い知らされた。
僕が分子栄養学を学び始めて
しばらくたった頃に
この本に出会って衝撃を受けた。
著者は1980年代から栄養療法を
けん引しているアメリカの医師だ。
この本では
胃酸を抑えることが正義という
現代医学とは対照的に
胃酸を追加することで
数々の体調不良が改善されたケースが
紹介されていて
消化吸収の大切さを再認識した。
今まで漠然と感じていた疑問に
明快な答えを提示してくれた本で
治療観が一変した気がした。
胃酸はpH1~2の強酸で、
塩酸が主成分だ。
胃が胃酸で溶けないのは
内側が粘液で守られているからだ。
しかし胃粘膜にほころびができると
たちどころにただれたり、潰瘍になってしまう。
なぜそこまでリスクを冒して
カラダの中に強酸を存在させるかといえば
一番の目的はタンパク質を消化するためだ。
粘液の材料もタンパク質。
カラダの部品も胃酸を分泌する細胞も
全てタンパク質でできている。
ヒトはタンパク質の30%を喪失すると
生命を維持することができない。
だから常に他者の部品をバラバラに分解して
自分の中に取り込まなければならない。
もし消化が不完全で
他者の情報が混じっていると
カラダは拒絶反応を起こす。
これがアレルギー反応だ。
アレルギーといえば、
蕁麻疹が出たり、呼吸が苦しくなったり
することを連想するが、
ライト博士によれば、
治りにくい口内炎、めまい、
便通異常、胆のう炎、関節痛、筋肉痛、
倦怠感、ストレス過敏など
様々な症状が現れるという。
盲腸にしても、胃酸にしても
カラダには不必要なものなんてないんだ
という妙な納得感があった。
次回も引き続き胃酸不足が
引き起こす不調について
書いていこうと思う。
興味があったら読んでみてね(^^)