腸が腐ってちゃ、なにをやってもダメよ

file#31 ストレスが腸内フローラを悪化させる?

ストレス

腸活エキスパート薬剤師の
ミッチー(@GooodGut)です。

以前の記事で
脳と腸はお互い影響しあっていて
腸内環境が悪くなるとストレスに過敏になる
ということを書いた。

今回はストレスが腸にどのように影響するのか
について考えてみたい。

ストレスと腸内フローラ

1973年にアメリカが初の宇宙ステーション
の打ち上げにあたり
宇宙飛行士の健康状態について実験を行った。

5カ月間にわたる宇宙船内での訓練で
腸内細菌がどのように変わるかを調べたのだ。

その結果、普通食から宇宙食への切替えでは
腸内フローラはそれほど変わらなかったが、
広い船室での作業に比べて
狭い実験室での作業が続くと
乗組員の腸には
バクテロイデスという日和見菌が増えていた。
Holdeman 1976

また旧ソ連の宇宙飛行実験では
乗組員の善玉菌が減って悪玉菌が増えた。
それは宇宙飛行中よりも宇宙船発射前の方が
変化が顕著だったという。
(Lizko NN 1984)


日本の研究でも阪神大震災の時に
血液疾患患者の腸内フローラを調べたところ、
震災後に悪玉菌のカンジダ菌が増加していた。
(Takatuka 2000)

腸は自律神経に支配されている

これらの研究結果を見る限り
強いストレスを受けると
腸内環境が悪化するらしい。

なぜストレスを受けると
腸内環境が悪化するのだろうか?

原因はいろいろ報告されているが、
僕が考える一番の原因はこうだ。

こちらでも書いたが
交感神経が活発な時は脳や心肺機能に
エネルギーを集中させるために
消化活動は抑えられる。

逆に副交感神経が活発な時は
脳や心肺機能の活動は低下し
腸の動きが活発になる。

ストレスが長期間に渡ると
交感神経優位な時間が長くなり
消化機能が低下する。

消化機能が低下すると
消化に一番労力を要するタンパク質が
消化されずに大腸になだれ込む。

タンパク質の未消化物は腐敗菌の大好物だ。

腸内フローラが悪化するもう一つの理由

ストレスを受けると
脳は大量にエネルギーを消費するので
甘いものが欲しくなることが多い。

さらに先ほどの阪神淡路大震災のような災害時では
どうしても長期保存のきくパンや麺などの
炭水化物が中心になってしまう。

精製された砂糖や小麦は
カンジダ菌などの悪玉菌の大好物だ。

このようにして
ストレスが長期化すると
腸内環境が悪化し、
それが脳に影響して
ストレスに過敏になり、
さらに腸内環境が悪化していく・・・
という負のスパイラルに陥っていくのでは
と僕は考えている。

ストレス対策には消化ケアも大事!

分子栄養学では
ストレスを強く受けている時は
ストレスに耐えられるだけのカラダを作ったり
ハッピーホルモンのセロトニンを作るために
通常よりたくさんのタンパク質が必要になる
と言われている。

だからと言って
ストレス解消のために焼肉屋でヤケ食いしたり
甘いものに走ったりするのはいただけない。

どうか、ストレスが長びきそうな時ほど
消化・吸収がうまくいっているかどうかに
気を向けてほしい。

それをチェックするには
ウンチの色・臭い・形をチェックするのが一番だ。


ミッチー

「腸活」で日本を元気にしたい薬剤師です。 詳しいプロフィールはこちら