腸が腐ってちゃ、なにをやってもダメよ

file#22 善玉菌の反逆

腸活エキスパート薬剤師のミッチーです。

前回は善玉菌の大好物について書いた。

現代人は忙しい。
自宅でテレワークしてる時でさえも
食事の時間を惜しんで
PCに向かっている人も多い。

忙しいときはどうしても
すぐに食べられる
パンや麺類などを選びがち。

でもそんな食生活が続けば、
あなたの味方のはずの善玉菌も
牙をむくかもしれない。

善玉菌が腸を荒らす?

腸の内側は粘液に覆われていて、
この粘液の中で腸内細菌たちが暮らしている。

そしてこの粘液は、
口から入ってきた雑菌が
体の中に容易に入り込まないように
守ってくれている。

いわばお城のお濠のようなもの。

この粘液はムチンと呼ばれる
糖たんぱく質が主成分で、
早い話が、糖とタンパク質が
くっついたネバネバ物質。

善玉菌たちは
エサ不足でどうしようもなくなると
自分の住処でもあるこの粘膜をエサにしはじめる。

善玉菌の一揆だ。

リーキーガット症候群とは?

腸粘液が善玉菌に食べられ
干上がってくると、
今まで侵入を阻止されていた
雑菌たちが一気に押し寄せてくる。

善玉菌の一揆

腸には免疫細胞の7割が集中していて
侵入してきた雑菌に対抗するので
腸上皮細胞は戦場と化す。

本来、腸の上皮細胞は
腸内の毒素やバイキンは通さず、
必要な栄養素だけを通過させる
フィルターの役目を果たしている。

荒れ果てた腸上皮細胞は
フィルターの役目を果たせず、
毒素や雑菌が血液になだれ込む。

そして血液に入った毒素や雑菌は
体のあちこちにばらまかれ
各臓器で戦争(炎症)が起こってしまう。

これが
リーキーガット(漏れ腸)症候群
と呼ばれる状態だ。

腸の荒れは万病のもと

このような状態が長期化すると
免疫機能が暴走して
様々な症状を起こす。

例えば、過敏性腸症候群や
潰瘍性大腸炎などの腸の病気だけでなく、
花粉症、喘息、アトピーなどのアレルギー症状、
頭がモヤモヤする、過呼吸、不眠などの精神症状も
リーキーガット症候群がきっかけではないか
と考えられている。

またコロナ感染で重症化するケースでは
サイトカイン・ストームと呼ばれる
免疫暴走が原因と言われているが、
僕個人としては、
もともと下地にリーキーガットが
あったのではないか?と考えている。

その症状も腸漏れが原因?

グルテンフリーで有名になった
テニスプレーヤーのジョコビッチも
大事な試合のここぞという時に
パニック発作に襲われ、
優勝を逃すことが度々あった。

病院で検査をしても異常が見当たらず
メンタルが弱いからだと言われ、
メンタルトレーニングを積んでも成果が出ない。

そんな時、同郷のホリスティック医師から
食事を見直すように指導されたのがきっかけで
リーキーガット症候群を克服し
瞬く間にチャンピオンの座に登りつめた。

実際、不登校や引きこもりの患者さんに
ヒアリングしてみると、
かなりの確率で便通異常やアレルギー症状を
持っていることに驚く。

もちろん、MACを摂取したからといって
これらの病気がすぐに治るわけではないし、
全てが解決するわけではない。

でも出火元を鎮めないで
目の前の症状だけに奔走していても
薬の数が増えるだけだ。

遠回りに感じるが
理想のウンチを目指して
じっくり腸内環境を育てていくことが
重要だと思っている。


ミッチー

「腸活」で日本を元気にしたい薬剤師です。 詳しいプロフィールはこちら